#軽井沢に家を建ててみる ⑤信濃追分の魅力を語ってみる
前回のブログでは、軽井沢に土地を買ったときのことついて書いてみたが、今回はさらに踏み込んで、その土地がある「信濃追分」について紹介したいと思う。
写真は第31回しなの追分馬子唄道中
信濃追分とは
信濃追分、といっても、軽井沢に住んでいる人以外にはあまり馴染みのない名前かと思う。通称「追分」と呼ばれるこの地域は、軽井沢町の西端、御代田町との境に位置するエリア。
歴史を紐解くと、中山道の宿場町のひとつとして栄えた町だということがわかる。
追分宿(おいわけしゅく)とは、中山道六十九次のうち江戸から数えて二十番目の宿場。
現在の長野県北佐久郡軽井沢町追分にあたる。北国街道(北陸道)との分岐点でもあり「追分」の名はこれに由来する。元禄時代には旅籠屋71軒、茶屋18軒、商店28軒を数え、飯盛女も最盛期には200~270人もいたとされるほど栄えた。
今回は、なぜこの信濃追分に土地を買ったのか、という点について、いろいろまとめていきたいと思う。
2つのツルヤが使える土地柄
まずはじめに、信濃追分に住むと、2つのツルヤが使えるという点を挙げておきたい。ツルヤ二刀流とでも名付けようか。
信濃追分からツルヤ軽井沢店とツルヤ御代田店って、3分しか所要時間かわらないんだよな。追分に住むなら御代田店も使えるな。#軽井沢に家を建ててみる pic.twitter.com/SqGTaukdQx
— 軽井沢移住者の櫻井です。 (@HelloKaruizawa) June 24, 2016
ツルヤ軽井沢店。軽井沢住民にとっては生活の拠点。これがないと食生活が死ぬくらいの生命線である。
今日の軽井沢のツルヤの品ぞろえ、富山からの魚がいい感じ。魚津港より。 pic.twitter.com/82hIkpXAEo
— 軽井沢移住者の櫻井です。 (@HelloKaruizawa) 2016年5月14日
ただこのツルヤ、夏の時期は地元住民に加え、別荘族、旅行客、みんなが集まり大混雑する。
シルバーウィークのツルヤ。9時開店直後でもこの賑わい (@ ツルヤ 軽井沢店 in Karuizawa Machi, 長野県) https://t.co/X7RERgHDsh pic.twitter.com/xJGCqAu8Wv
— 櫻井 泰斗|Taito Sakurai (@SakuraiTaito) 2016年9月17日
そういったときに裏技として使えるのが、 ツルヤ御代田店。軽井沢店に比べると売り場は3分の2ほどで、軽井沢店においてあるような、高級食材や、50種類はあるんじゃないかというチーズ、発送手続きまで完備している広いおみやげコーナー、そういったものはないけれど、ここでも十分品揃えは満足がいくレベル。
そして、気のせいかもしれないけれど、軽井沢店よりちょっと安い気もする。
御代田町のツルヤ、ハーゲンダッツが175円! pic.twitter.com/CtMPqtab6Q
— 軽井沢移住者の櫻井です。 (@HelloKaruizawa) 2015年4月29日
そんな感じで、日常使いなら空いている御代田店、ちょっといい食材を揃えたければ軽井沢店と、うまい具合に使い分けができる土地柄だといえる。
森の中にある安い土地が買える
ある程度、追分であれば経済的に余裕をもって家造りができる、というところもポイント。
軽井沢町内での地下単価の違いについて。軽井沢駅周辺は坪単価37万円、中軽井沢で16万円、追分は5万円。https://t.co/s24CWkjHDf pic.twitter.com/dZ597rwnEY
— 軽井沢移住者の櫻井です。 (@HelloKaruizawa) 2016年9月16日
中軽井沢周辺で土地を探すと、こんな感じのところが見つかる。
中軽井沢駅周辺の土地の一例。
300㎡/90.75坪 で1,180万円。https://t.co/OCLe30xSQr pic.twitter.com/mfpD6peq0v— 軽井沢移住者の櫻井です。 (@HelloKaruizawa) 2016年9月16日
もちろん、東京の感覚で言うと300㎡ってバカでかいな、と思うかもしれないが、軽井沢には建ぺい率(土地面積に対して建物面積の占める割合)が厳しく、たとえばこの土地は60%の制限がある。
必然的に庭を作ることになるので、ウッドデッキも欲しい、チェアーもほしい、植栽や家庭菜園も作りたい・・となると、これくらいのサイズでも小さいくらい。せっかくの信州生活、ある程度広い土地を持たないと楽しくないのだ。
一方で、信濃追分にいくともう少し大きめの物が多く、かつ森の中にあるような土地が売られている。このツイートで相場観がわかるかもしれない。
こちらは信濃追分の土地の一例。
463㎡/140.05坪 で980万円。https://t.co/riVUKmGURH pic.twitter.com/ZLVNnw6F4J— 軽井沢移住者の櫻井です。 (@HelloKaruizawa) 2016年9月16日
で、自分の経済状況はそこまで余裕があるわけでもなく、ローンも組む必要があったので、少しのお金でも広い土地が変える信濃追分の土地を買うことにした。
もちろん、毎日通勤で軽井沢駅まで運転することを考えると、場所にもよるが、中軽井沢の方が信濃追分よりも5-10分ほど近いので、その点は明らかなデメリット。ただ、中軽井沢にするにしろ信濃追分にするにしろ、どちらも車にある程度乗らないといけないので、片道10分長くなったとしても、歩くことに比べると、車の運転においてはさほど疲れないんではないか、ということで、ここはトレードオフ、というわけ。
佐久・小諸・上田へのアクセスの良さ
軽井沢に住むまであまり想像できなかったことなのだが、ぶっちゃけ、いわゆる「軽井沢」と呼ばれるエリアは日々の生活圏としては使いにくいことがわかった。
美味しくて洗練されたレストランは多いのだが、長野にしては高かったり、予約が取りづらかったり。旧軽井沢は真冬でもない限り、毎週末は混み合うから、足が遠のいてしまったり。駅南口の軽井沢ショッピングエリア、いわゆるアウトレットは、2〜3回を超えたあたりからだんだん飽きてきて、半年に1回でいいかな・・といった気持ちになったり。
結局、1年住んでみた結果、休日にしていることを振り返ってみると、佐久・小諸・東御あたりにドライブし、温泉に入り、人のいない穴場のレストランをめぐり、日用品の買物をして帰ってくる・・・というようなパターンが多く、東京の匂いが残る軽井沢駅周辺におしゃれをして遊びに行く、と言うよりは、Tシャツにジーンズで、ごく普通の長野の田舎暮らしをする、そのリズムのほうが心地良いということに気づいてしまったのである。
だって、こんなに眺めのいい温泉だったり、
館内からの眺めが素晴らしい。入館料は安定の500円 (@ あぐりの湯 こもろ in 小諸市, 長野県) https://t.co/JyfSylSjR3 pic.twitter.com/yxWwqlX4O1
— 櫻井 泰斗|Taito Sakurai (@SakuraiTaito) 2015年7月11日
新鮮な野菜が盛りだくさんの道の駅だったり、
信州の野菜がいっぱい。賑わっているな (@ 道の駅 雷電くるみの里 in 東御市, 長野県) https://t.co/H8rBXEi4Ah pic.twitter.com/uktgWTtfqV
— 櫻井 泰斗|Taito Sakurai (@SakuraiTaito) 2016年8月7日
そこそこ満足できるクオリティでお財布に優しい飲食店がたくさんあったら、
鹿スネ肉のビール煮。ジビエ料理の季節。 (@ OH!LA!HO! in 東御市, 長野県) https://t.co/7MD3HzP0u3 pic.twitter.com/nBB7oMd2BT
— 櫻井 泰斗|Taito Sakurai (@SakuraiTaito) 2015年12月20日
1日限定5食の赤身と中落ち丼。これで880円。 (@ ひろ喜 in 佐久市, 長野県) https://t.co/8J2J4W6hAq pic.twitter.com/51wpxWOuUH
— 櫻井 泰斗|Taito Sakurai (@SakuraiTaito) 2016年7月30日
今日は白玉あんみつ。これで480円 (@ 甘味処 みつばち in 小諸市, 長野県) https://t.co/TicFrYCjht pic.twitter.com/eXeNMKotzp
— 櫻井 泰斗|Taito Sakurai (@SakuraiTaito) 2016年9月10日
こういう場所があるのを知ると、観光客で賑わう、渋滞の多い軽井沢の街に、休日にわざわざ行く必要はないよな・・と思うのである。
軽井沢町を敬遠するわけではないが、この町自体は固定資産税で潤っているし、観光客も増え続けているので、そこで消費をするよりは、佐久や小諸にお金を落とし、東信地域全体が活性化したほうがいいのかな、とも思う。
信濃追分は、軽井沢でも西端に位置するため、これらの街に出るための交通の便がいい。実際に軽井沢駅周辺から出るときと比べると、10分以上の差が出てくる。
軽井沢駅から佐久平に出る場合と、信濃追分から出る場合を比較してみた。前者は34分、後者は22分。 #軽井沢に家を建ててみる pic.twitter.com/o5jnxlwWyt
— 軽井沢移住者の櫻井です。 (@HelloKaruizawa) 2016年9月15日
佐久や小諸に20分ちょっとでいけるので、気軽な気持ちで遊びに行くことができるはず。仮に妻が仕事を探すときも、選択肢が軽井沢町内だけでなく、周りの街にも広がるはず。毎日通勤したとしても苦ではない通勤時間だと思う。
軽井沢駅周辺にと比べると、格段に天気が良い
定住するとなると、生活の満足度に大きく関わるのが日照時間。軽井沢駅周辺から追分近辺に車で行くと、あれっ、こっちは晴れてるな・・・ということがよくある。
18号バイパスを走行中、借宿付近から追分〜御代田方面を見たところ。この辺りを境にして、中軽井沢〜南軽井沢は霧雨でも、西に行くほど晴れていることが多い。 pic.twitter.com/xOB7tw66Ip
— 軽井沢移住者の櫻井です。 (@HelloKaruizawa) September 4, 2016
軽井沢駅周辺は、季節を問わず、霧が出る日が非常に多い。
霧の夜。100メートルくらい先までしかみえない #軽井沢駅前定点観測 pic.twitter.com/a3xxZfnFM3
— 軽井沢移住者の櫻井です。 (@HelloKaruizawa) 2016年5月30日
霧がかかってゲレンデが見えない。。 #軽井沢プリンスホテルスキー場定点観測 pic.twitter.com/QopxsdrOM0
— 軽井沢移住者の櫻井です。 (@HelloKaruizawa) 2015年10月13日
これはなぜかというと、関東平野からの湿気が、碓氷峠を越える際に急激に冷えるため。
山を登る空気は気圧が低くなるとともに膨張して温度が下がり、飽和した水蒸気が霧となるため、関東平野から碓氷峠を登って流れ込む南東風が原因となって軽井沢では年間 130 日以上も霧が発生している
よって、碓氷峠に近いほど(軽井沢町の東に行くほど)、霧の日が多くなる。そういう日は湿度が100%ということなので、当然ながら洗濯物が乾かないし、ジメジメするのでカビも生えやすいし、何かと不便なことが多いのだ。
もちろん信濃追分も霧が出る日はあるし、日本で有数の晴天率を誇る佐久市などには全くかなわないのだけれど、それでも軽井沢駅周辺よりはずっと長い晴れ間がある。このあたりも、信濃追分を好きになった理由のひとつだ。
今回は、信濃追分の魅力について幾つか書いてみた。もちろん、軽井沢周辺に住むメリット、中軽井沢周辺に住むメリットもあると思うが、自分の場合は、ライフスタイル、経済的な点、住みやすさを考慮した上で、良い選択ができたかなとは思っている。まあまだ家建っていないので本当にいい選択かはわからないけれど。
ということで、このブログ記事が、いつか誰かの役に立ちますように。
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このブログについて:2015年に東京都から軽井沢に移住した櫻井泰斗さんのブログを再編集してお届けしています。
新幹線通勤しようと思った背景はこちらの記事に書いています。
櫻井泰斗
2015年に東京都文京区から軽井沢町へ移住。移住当初から「#軽井沢から通勤するIT系会社員のブログ」を運営。Twitter上で、軽井沢の移住者や移住希望者をつなぐコミュニティをつくる。移住に関する情報交換や、移住者間のコミュニケーションを活発にした。2020年コロナ禍をきっかけに夫婦でYouTube活動を始める。軽井沢での暮らしや観光情報を発信している。
Youtubeアカウント:さくらい夫婦の 軽井沢チャンネル
タウナー不動産では、軽井沢エリアへの移住を検討されている方向けに、移住体験ができる貸別荘「HAFUMO軽井沢」をご用意しています。また、住まいに関するご相談も常時承っております。お気軽にお問い合わせください。