軽井沢に台風が来た時に注意しておきたいこと

2018年7月29日
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軽井沢にも台風が来た。

歴史的に見ると、軽井沢はあまり台風で大きな被害を受ける地域とは言い難い。

それは、長野県の西側には日本アルプスが立ちはだかっているので、それらがいくらかの防風の役割を果たしてくれるからだ。台風銀座と呼ばれるような九州・沖縄、四国の太平洋側に比べれば台風の被害は受けにくい、地理的な理由がある。

ただ今回の台風は事情が違った。台風が逆行してきたのだ。

ちなみにこれ、世間では小田和正とかクリムキンイーグルとかいう話で盛り上がっていた。

 

ただ、災害の話なのでそういう方面はTwitterとかBuzzfeedとかに任せて、真面目なトーンで語ろうと思う。 

何を言いたいかと言うと、台風が東から西に来たという点で、いつものようにATフィールド改め日本アルプスの防護が機能しなかったのだ。これ、戦国時代で例えるなら、西側に騎馬隊を陣取ったにもかかわらず、後ろから奇襲されたような感じだろうか。県民ネタを出すのであれば、徳川軍相手に真田軍がよくやりそうな手ではある。

再度、真面目な話に戻る。

最近は異常気象なのか、台風が長野に来ることも多くなったなあという実感がある。実際に去年2017年も大きな台風が軽井沢を襲った。 これは去年の10月。

ということで、今回のブログでは、台風の経験から、軽井沢に住む際に気をつけておきたいことをまとめておこうと思う。

水害よりも倒木がヤバい

軽井沢は高原なので、谷に家を建てたということでもない限りは、さほど水害の心配はない。昔からある集落はだいたい災害の少ない立地だし、これから土地を買おうとしている人は、標高を確認できるサイトで、自分が買おうとしている土地がどういう地形に位置しているのかは確認しておいた方がいいかもしれない。

ちなみにこれは信濃追分エリアの等高線付きの地図。浅間山がある北側が標高が高いので、この地図で等高線が逆V字型になっているところは谷です。信濃追分駅の南西みたいに、ほとんど家がないエリア。こういうところの土地は買ってはいけない。

で、水害はいいとしても、気をつけなければいけないのは、森の中に住んでいるということである。別荘エリアに家を立てた、というような人は、家の敷地内に大きな木が残っていることもあるのではないだろうか。

このような状況だと、倒木によって家屋が傷つく可能性がある。普段から、枯れ枝がないか、虫に食われていないか、そのあたりについては普段から気をつけておくべきだろう。

ちなみに今回の台風ではないが、昨年10月の台風では、こんな倒木があった。

そもそも軽井沢で倒木が多いのには、理由がある。

軽井沢の語源が、かるいしざわ、に由来するという一説もあるとおり、ここは浅間山の噴石が堆積してできた土地だ。そのため、土壌をよく観察すると、浅間石と呼ばれる軽石がたくさんでてくる。畑をやるとよく分かるんだけれど、このように石が積み重なっている土地では、植物がしっかりとした根をはることができない。

針葉樹などの並木道が軽井沢の美しいアイコンとして見せられることが多いけれども、じつは自然にとってはあまり良い環境ではない。こんなに木と木の間が短いと、さらに根を張る上で悪条件となる。針葉樹の多い並木道があるエリアは、倒木に要注意だ。

倒木まで行かなくとも、折れて落ちてきたで道が通れなくなることもある。このときは気合で自分で動かしたけれど。重かった。。

今回も各エリアで倒木による通行困難な状況があるみたい。

暴風雨で枝が折れたりすることは免れないので、森のなかに家をたてるのであれば、屋根のある車庫が必須になると思う。朝起きたらフロントガラス大破してたとかシャレにならないだろうし。。

また、このように樹木が倒れて電線などに絡まると、簡単に停電が起こる。今回の台風では、(幸い?)深夜の時間帯からの停電だったけれど、飲食店は翌日の仕込みの時間。どうやって乗り切ったのだろうか。。本当に大変だっただろうなと思う。

台風対策アイテム、まずはあかりとり

 

ということで、軽井沢に台風が来た時に考えて置かなければいけないのは、停電です。

停電対策アイテム、まずはあかりとり。

スマートフォンの明かりでもいいかもしれないけれど、LEDライトは直進性があって広範囲を照らせないので、こういった周囲を照らせるランタンみたいなものがあるといいのかもしれない。

Amazonなんかだといろいろな種類の物を売っているので、ひとつあってもいいかも。 キャンプでも使えるだろうし。

簡易的なもので良ければ、こういったフットライトを置いておく、というのでもいいかも。人感センサーで電池式のものであれば、普段の生活でも使えそう。

台風のあとも戦いは続く。ブロワーを常備せよ

台風の後は、決まって、落ち葉や折れた枝の掃除になる。せっかくの休日の朝でも起きたらこの光景とか。。

ウッドデッキだけでこの状況なのでうわっと思ったが、庭を見てみたら更に凄いことになっていた。

これらを人力で掃除するのはそもそも無理ゲーなので、うちではこういったブロワーを常備している。これは落ち葉の季節の動画だけれど、台風の後にも役に立つ。

ブロワーの選び方なんだけれど、大きく充電式エンジン式がある。庭がある程度広いのであれば、充電式でなくてエンジン式がおすすめ。

ちなみにうちがつかっているのは日立製。2万円程度、落ち葉掃除に費やす労力考えたら高くない。 

 

充電式は、お手軽でいいんだけれども、途中で電池切れるとまた充電して再開するのが億劫になる。対してエンジン式、燃料買ったり補充したりエンジンかけたり、初心者としてはハードル高いと思うかもしれないけれど、知っている人に5分ほどでも教えてもらえればすぐ慣れるはずなので、せっかくなら挑戦してみた方がいい。草刈り機なんかもエンジンが動力のことが多いので、いろいろな機器にも応用できる。そもそも、田舎での生活ではエンジンかけるスキルが必須になるので怖がらずにやってみるといいと思う。

ちょっと話はそれるけれど、どんなに電気が便利とはいえ、ガソリンを補給することで動力が即時的かつ継続的に確保できるという点では、エンジンに一日の長があると思う。電気自動車(EV) がなかなか普及しない理由にも似ていると思う。

台風の備えで一番必要なものは、動じない心かもしれない

最後はメンタルについて書きます。結局根性論かよ。

ただ、森のなかに家を建てると、そこそこの広さになるし、とてもではないが人の手だけでは維持管理は無理になる。これが嫌な人は、そもそも軽井沢の森のなかに家を建てることはしないほうがいいと思う。

自然の中で生きていくということは、台風だけでなく、虫だったり、野生動物だったり、そういったものと日々戦ったり共存したりしながら生きていくということだ。

余談になるが、先日アシナガバチがうちの敷地内に巣を作っていた。

その際に、いろいろな人からアドバイスを集め、自力で駆除をした。

虫退治でも庭掃除でも、とりあえずなんでも人に頼めばいいじゃない、というような、お金が無限にある人なら別として、自分のような庶民の立場では、憧れだけ先行して軽井沢に家を建てると、のちのち大変になる。

ぶっちゃけ、こういった家に住むことは非効率な生き方だということを認識したほうがいい。駅直結、コンビニや飲食店にもすぐ行けるようなマンションに住んだほうが、生活は楽だと思うし、こういうことを面倒だなーとストレスに感じるという人は、都会で生活したほうが良い。

でも、逆に言うと、このように自然と共存する道を探りながら生活することが楽しい、と思える人は、軽井沢のような、森のなかに住む生き方も悪くないのかもしれない。

だから、この暮らしで一番必要なものは、何があっても動じないメンタルなんだと思う。

・・とはいえ庭掃除はマジで大変そうだ。地面が乾いてからがいいと思うので、明日以降だろうか。これは一日くらい会社休まないといけないかもな。東京の人に「庭掃除するので休みます」というのは通じるのだろうか。まあいいか。このブログ見てくれ、とでも伝えよう。

ということで今回のブログでは、軽井沢に台風が来た時に注意しておきたいことと、メンタルの重要性についてまとめてみた。

このブログの読者の中には、これから軽井沢に家を買おうかな、と検討中の方もいると思うんだけれど、楽しいことばかりではないので、ひとつご参考になさってください。最近は異常気象と思われる自然災害も多いので、冒頭で紹介した台風に強い長野県の神話も揺らぎつつありるので、今後は注意が必要かと。

ということで、このブログが、いつか誰かの役に立ちますように。

(最後に、今回の台風12号で被害にあわれた皆様に、心よりお見舞い申し上げます。また、これから台風を迎える地域にお住まいの方には、万全の対策で臨んでほしいと思います。)

このブログについて:2015年に東京都から軽井沢に移住した櫻井泰斗さんのブログを再編集してお届けしています。

 

櫻井泰斗
2015年に東京都文京区から軽井沢町へ移住。移住当初から「#軽井沢から通勤するIT系会社員のブログ」を運営。Twitter上で、軽井沢の移住者や移住希望者をつなぐコミュニティをつくる。移住に関する情報交換や、移住者間のコミュニケーションを活発にした。2020年コロナ禍をきっかけに夫婦でYouTube活動を始める。軽井沢での暮らしや観光情報を発信している。
Youtubeアカウント:さくらい夫婦の 軽井沢チャンネル

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