#軽井沢に家を建ててみる ③軽井沢の土地の特徴を移住者目線で考える

2016年6月26日
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軽井沢というとさわやかなイメージを思い浮かべる人がほとんどだろう。

Instagramで “#軽井沢” などでハッシュタグ検索をすると、美しい街並みがいくつもアップロードされているのがわかる。

ただしこういう写真は、観光客として眺める分にはよいが、これから住もうとなると、もしかしたら見ないほうがいいかもしれない。

なんで?と思われるかもしれないが、理由は簡単。こういったInstagramのイメージは観光客から見た軽井沢。このイメージのままで軽井沢に住もう、と考えると、間違いなく痛い目に遭うだろう。軽井沢に1年住んでみての感想を、あえてネガティブに綴るとすると・・

「湿気すごい」

「霧がヤバイ」

「夏でも寒い」

「渋滞ひどい」

「夏以外は空き家ばかり」

となる。

本当かどうか疑う人もいるが、実際にTwitterを見るとリアルな軽井沢が見えてくる。

6月始めで1.2℃ってなんだよ。

そして休日となると渋滞もヤバイ。

うっかり渋滞ゾーンに入ってしまうと、平気で30分くらい無駄になったりする。

ただし、これらのデメリットやストレスは「軽井沢のどこに住むか」によっていくらか解消されるものも。軽井沢町は156.03 km²と広く、場所によっていろいろな個性がある。

ということで今回は、軽井沢でどこに土地を買うかを考える時に、絶対に外せない、幾つかの考慮すべき点を書いていきたいと思う。

湿気が溜まらない場所を選べ

新幹線などでぱっと行けるのでたまにわからなくなる時もあるけれど、軽井沢は山の中にあるのだ。毎日を、山の中の気候で過ごすことになる。地理や気象学に詳しい人なら、ケッペンの気候区分で亜寒帯湿潤気候、Dfbというとイメージがつきやすいかも。国で言うと、ロシアやカナダが属する気候帯だ。

その気候の厳しさは、 軽井沢に移住して初めての冬で、びっくりしたことを5つほど の記事でも描いたけれど、これに加えて認識しておきたいこととして、湿度の高さがある。

Source: 気象庁|過去の気象データ検索

この図は、東京・松本・軽井沢の3地点について、2015年の平均湿度を月別に表したもの。もちろん気温や寒暖差には各地で差があるので、湿度だけで単純比較はできないけれど、軽井沢の平均湿度はどの月でも80%前後ということがわかると思う。というか9月の93%って何・・・

湿度が高いと、カビが生えやすい。家の中が結露する。洗濯物が乾かない。うちの洗濯機には乾燥機能などついていないので、やむなく洗濯衣類乾燥機などを買う始末。結構な出費だったよ・・

そのため、移住者にとっては、軽井沢でも比較的湿気の溜まらない土地を選ぶことが大切。

よく言われるのが、軽井沢駅周辺・中軽井沢駅周辺・信濃追分駅周辺の3区分。単純に理解するならば、軽井沢駅が最も湿度が高く、次いで中軽井沢、信濃追分となる。 特に軽井沢駅付近はもともと湖で、そこに軽石が積もってできた土地らしく、地下水位が高い。基礎工事をする上での調査をすると、水が吹き出てくることもあるとか。定住者が軽井沢駅周辺を敬遠し、中軽井沢以西を選ぶのは、このあたりに理由がある。

それぞれの地域についてどれくらい湿度があるのかは実際に住んでみないとわからないけれども、ひとつの判断基準として、住宅の垣根や庭などに「苔がむしているかどうか」という点が参考になるかもしれない。苔がよく見られるエリアは、全般的に湿度が高い事が考えられる。「軽井沢」でイメージ検索してみると、以下のような写真が出ることがあるが、これは湿度が高いという証拠。

 

 

こういった景観が見られる場所は、確かに借景としてはいいのだけれど、あまり定住はおすすめできない。梅雨が始まる前の初夏のみサマーハウスとしてのみ使う、というのであればまあいいのかもしれないけれど、それでもメンテナンスは大変だと思う。

ハイシーズンの混みあう休日を想像しよう

せっかく軽井沢に住むのであれば、鳥の声を聞きながら、静かな週末を過ごしたいと思うのが普通だろう。ただし、前出したとおり軽井沢は週末になると人が集まる場所。どのように人混みを避けるかということが大事になってくる。

観光客が主に集まるエリアは、人が多いと思われる順に、①プリンスショッピングエリア、②旧軽井沢エリア、③星野エリア、あと ④ツルヤ。このあたりには人も車も殺到するので、その動線は想定しておいたほうが良い。

参照:Google Map

たとえばこれはある休日の駅前周辺の混雑状況。駅の北口から旧軽井沢に抜ける道と、南口のプリンスショッピングプラザに入る道が大渋滞している。

一度、ハイシーズンにうっかりこの渋滞の道(プリンス通り)に入ってしまったことがあり、1キロ半に15分以上を費やしたことがあった。歩いたほうが早いかもしれないくらいだ。軽井沢の渋滞は本当にすごい。これを考えると、例えばショッピングエリアの幹線道路沿いなどに住むと、かなり悲惨なことになるかがわかると思う。日中はほぼ動けないのではないだろうか。

軽井沢は国内のみならず、海外からのインバウンドのお客さんも多く訪れる観光地。もちろん慣れてくると裏道は覚えるのだけれど、それでも観光客を完全に避けて生活することはできない。結論としては、休日にどのような生活をしたいのかを考慮に入れて住む場所を選ぶ必要がある、ということ。ハイシーズンの休日にどこに人が集まり、どの道が混雑し、そのなかでどのように動きたいかを想定しておけば、「せっかく軽井沢に移住したのに休日は家から動けない・・・」なんてことは無くなると思う。

ツルヤにどのように行くのかを考えよう

軽井沢で生活をする上で、最も頻繁に訪れる場所がツルヤである。

軽井沢のツルヤの魅力はこのあたりの写真満載のブログにまかせておいて、もう一つ住む場所を選ぶ上で重要になるポイントとして、ツルヤにどうやってアクセスするか?ということがある。

例えば中軽井沢駅周辺であれば自転車などでも十分行ける距離だけれど、信濃追分や軽井沢駅の周辺からは、車を出さないとちょっと厳しい距離。この距離感によって、一度あたりの買い物の量や、訪れる頻度も変わってくる。

例えば車を出すのであれば誰が運転するのか、いつ買い出しに行くのか、といったことも考えておいたほうがいいだろう。自分以外の家族が免許を持っているか持っていないかも大きく影響する。

さらに気をつけたいのが夏のハイシーズンの買い物。「ツルヤ渋滞」と呼ばれる混雑があり、週末の午前中など、避けるべき時間帯がある。バーベキューの食材を求める人が殺到する。

ツルヤ渋滞について詳しいブログはこのあたり。

 

この、ツルヤの混雑というのは、もしかしたら定住者にとっての一番のストレスかもしれない。これもハイシーズンに、どの時間帯を避け、どのルートで買い出しに行くのか、ある程度想定をしておいたほうがいいと思う。

それから、これは盲点だが、ツルヤは御代田町にもあるので、観光客が殺到する時期などはこちらに車を走らせるという選択肢もある。軽井沢店に比べて品揃えはやや落ちるものの、日常で食材を仕入れる分には全く問題なく、チーズの種類やマニアックな調味料(たとえば高価なオリーブオイルとか)を置いていない程度。むしろ東京の都心にあるような小さなスーパーよりは、圧倒的に品数は多い。ちなみに信濃追分からは御代田店は10分、軽井沢店は7分ほどの距離なので、中軽井沢駅から追分の間に住むなら、混雑のない御代田店を使ったほうがいいかもしれない。

以上、今回は軽井沢で住む場所を決める上で、考慮に入れておきたい点を、「気候面」「観光面」「生活面」で3つ紹介した。もちろん他にも細かいヒントはたくさんあるのだけれど、最低限この3つを理解しておけば、さほどびっくりすることはないのではないだろうか。

ということで、このブログ記事が、いつか誰かの役に立ちますように。


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このブログについて:2015年に東京都から軽井沢に移住した櫻井泰斗さんのブログを再編集してお届けしています。

新幹線通勤しようと思った背景はこちらの記事に書いています。

櫻井泰斗
2015年に東京都文京区から軽井沢町へ移住。移住当初から「#軽井沢から通勤するIT系会社員のブログ」を運営。Twitter上で、軽井沢の移住者や移住希望者をつなぐコミュニティをつくる。移住に関する情報交換や、移住者間のコミュニケーションを活発にした。2020年コロナ禍をきっかけに夫婦でYouTube活動を始める。軽井沢での暮らしや観光情報を発信している。
Youtubeアカウント:さくらい夫婦の 軽井沢チャンネル

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